Photo by Rade Jug / Ranch Terra

四足で探検できるのに、二足で旅に出る理由はなぜ?

人ごみから抜け出し、クロアチアの自然美を探索しながら、まだあまりよく知られてない地域であたたかいおもてなしを体験したいとお考えなら、乗馬ほど、長くつづく思い出とユニークなひとときを創り出してくれるオプションはあまりありません。

伝説的に知名度の高い海岸エリアや険しい山岳部から、平坦に広がるスラヴォニア平原まで、クロアチアの風景は多様性にとんでいます。それぞれのエリアは、異なったタッチでこの国の自然美を描き出していますが、そのいずれも、乗馬で探検することができるのです。もしまだあまり人に知られていないアドベンチャーをお探しなら、クロアチアを選べば大正解です。

クロアチアにおける馬飼育のゆたかな遺産は、何世紀もさかのぼります。ジャコヴォの名高いリピツァ馬種馬飼育場は1506年に創設され、1972年のオリンピック開会式でそのエレガントな馬の姿に感嘆したイギリス女王エリザベス二世は、そのすぐ後にわざわざジャコヴォまで馬の視察にご来訪されたほど。

クロアチアでもっとも有名な騎乗イベントは、毎年8月に開催されるスィニュスカ・アルカSinjska Alka。これはヨーロッパで唯一現存している騎士トーナメントです。1715年のオスマントルコ軍によるスィニュの包囲攻撃に対する勝利を記念して毎年開催されるアルカは、クロアチアの文化イベントカレンダーでもっとも重要な行事のひとつ。時代物の盛装を身にまとった壮麗な騎馬兵(アルカリ)が完ぺきな毛並みの馬にまたがり、レーストラックを全速力で駆け抜けながら上方にぶら下がる小さな金属のリング(アルカ)の的を槍で射抜くさまは、勇壮かつ壮観です。

ラッキーなことに、馬の背にまたがってクロアチアを探検するのに、いにしえの伝統を守る皇族である必要はありません。クロアチアの魅力を発見するのに、定番のビーチリゾートや街歩き観光に飽き足りないツーリストの数が増えるにつれ、乗馬をはじめとするアドベンチャーツーリズム全般は、ますます盛んになってきています。

 

宿泊しながら乗馬も楽しめる牧場や、途中の小さな村や農場に立ち寄りながら、牧歌的なルートで主要なみどころへ旅するツアーの数は年を追うごとに増加し、時間があまりないツーリストなら見逃してしまうようなクロアチアならではのホンモノ体験をすることができます。

一例として挙げられるのは、プリトゥヴィツェ・ルート。この数日間にわたる乗馬ツアーでは、スプリットを出発し、かの有名なプリトゥヴィツェ湖群国立公園をとりまく森林や野原、山岳地帯をめぐります。のんびり乗馬を楽しみ、湖群が織りなす魔力に驚嘆したり、湖畔まで乗馬し、馬とともに泳いだあと、標高1613メートルの山のピークへ向かい、壮大に広がるクロアチアの壮麗な眺望を堪能しましょう。このほかにも、湖群へ容易に行けるエリアにも牧場が数か所あり、もっと気軽にこのユネスコ自然遺産エリアへ行く乗馬体験もできます。

アルカのおかげでスィニュは乗馬のシンボルのように思われていますが、実は、ダルマチア地方内陸部も乗馬ツーリズムがさかんな地域。自然は神々しく、壮大なツェティナCetina川とペルツァPeruca湖沿いのツアーでは、ローマ時代やナポレオン時代の街道や忘れ去られた家畜路を通り、今はもう使われていないダルマチアの村落を抜けます。もちろんまだ人が住んでいる村もあり、そこではフレンドリーな地元の人に出会ったり、ラキヤやそのほかのご当地産物などを楽しむこともできます。二千年以上もの歴史や伝統、自然のなかに分け入る体験は、まさにプライスレス。

映画の歴史に出てくるようなアドベンチャーがしたいですか?それなら、サドルの準備をととのえて、スタリグラード・パクレニツァ国立公園へ出かければ、息をのむような美しいエリアが広がっています。ここは1960年代の伝説的映画、ウィネトウWinnetouの撮影現場でもあります。今では、カウボーイもインディアンもいないので、この美しくも険しい国立公園を駆け抜ける乗馬を楽しみ、同時にアドリア海の極上の風景も満喫できます。

クロアチアの国立公園や自然公園と乗馬は、切っても切れない関係にあるようです。だれでも乗馬を体験できる機会があり、国土の10パーセントが保護公園に指定されているこの国を探検する夢のような観光手段が、もう一つ用意されているのです。パプクPapuk自然公園へは、オラホヴィツァOrahovicaからヤンコヴァツJankovacまでの人気の乗馬コースでアクセスできます。

時を超えた伝統、極上のアドリア海の景色と乗馬旅行-ドゥブロヴニクからさらに南下した場所に位置するコナヴレKonavleは、一味違っています。ここは、現代社会のあわただしさを超越しているような地元の昔ながらの伝統工芸のひとつ、養蚕とシルクのふるさと。松林やオリーブ園を抜ける11キロの街道を乗馬したあとのごほうびは、ヴェリェVelje丘頂上から見下ろすアドリア海の絶景です。

 

このほかにも、美しいビロゴラBilogora地方では、人生初の乗馬に挑戦する勇気をふりしぼった初心者から、数日にわたる長い乗馬ツアーに取り組む準備万全の経験ゆたかな人まで楽しめる美しいテーマ街道が待ち受けています。いずれにあてはまる場合でも、このエリアをまったく新しい視点から満喫できることは確実です。

 

スプリットからザダル、フジネFužineからメドゥリンMedulin、パズィンPazinからウマグUmagまで、サドルにまたがった乗馬アドベンチャーがあなたを待ち受けています。これらのルートに共通していることは、アドリア海とメジャーな観光リゾートに近い一方、正真正銘のクロアチアの姿に触れ、あまり知られていない小さな村々や、遠い昔に忘れ去られた街道、感動あふれる自然にいたるところで出会える旅に、乗馬というシンプルなオプションで踏み入ることができること。

さらにクロアチアでも、特にイストゥラやダルマチア内陸部で、乗馬スクールが増える傾向があります。子供たちに乗馬を習わせるなら、パラダイスより最適な場所がほかにあるでしょうか?

 

クロアチアのどこに降り立ったとしても、乗馬体験はすぐ近く。馬の背中に乗れば、踏みならされた道から外れ、自然のただなかに分け入り、そして多くの場合、数世代昔に迷い込みます。もし魂を活性化させ、忘れがたいバカンス体験を求めているなら、クロアチアにようこそ!