Photo by Zoran Jelača

アドリア海の隠された人気スポット

島々に位置する数多くの洞窟を訪れれば、クロアチアの海辺沿いのセーリングは、もっとスパイスアップできます。海岸エリアの地質構造のおかげで、クロアチアを世界的に有名にしている多様な自然の地形の一部として、海の表面に位置する数多くの洞窟もあり、これらは簡単にアクセスすることができるのです。人間だけでなく、ほぼ絶滅しかかっている種のモンクアザラシも、こうした海の洞窟に、かつてはよく住みついていました。ボートでアクセスできる洞窟は、よくセーリングのスケジュールに組み込まれています。ここでは、クロアチア海域のアドリア海にある、そんなもっとも有名なデスティネーションのレビューをご紹介します。

青の洞穴、ルベニツェLubenice

セルフィーを撮る絶好の場所のひとつといえば、断然、ツレス島の青の洞穴。もし行くことができれば、の話ですが。昔ながらの非常に狭くて半分隠れたような入口があることはありますが、そこから入る方法は泳いでかカヤッキング。それ以外なら4.5メートルの水深へ15メートルほどの高さから洞穴のなかに飛び込む方法があります。洞穴のなかには、この上なく美しいターコイズブルーの輪郭の広々とした静謐な空間がぽっかり広がっています。洞窟は比較的大きなドーム状で、小さな割れ目があり、そこを通して差し込む太陽の光が、このユニークな洞窟内部を照らしています。もうひとつの秘密の世界へ飛び込んでみましょう。

緑の洞窟、ラヴニック島

洞窟のドームに関していえば、もっとも注目に値するのは、ヴィス島の隣、ラヴニックRavnik小島にある緑の洞窟内のドームでしょう。そのみごとさを体感するなら、ピークシーズンをはずして、観光客があまりいないときに行くのがベスト。ここでは、ディープウォーターソロという、安全ハーネスを使わず海上で行うフリークライミングの一種を楽しめるため、クライマーのあいだで特に人気なスポットです。この洞窟の名前は、洞窟の岩に生える海藻の色から名づけられ、世界でも指折りの絶景クライミングスポットにもなっています。

青の洞窟、ビシェヴォ島

緑の洞窟から数マイル離れたビシェヴォBiševo島にあるのは、青の洞窟。アドリア海の洞窟のなかでも、観光客のあいだで断トツの知名度を誇っています。青の洞窟を訪れるベストタイミングは、早朝と午後おそくだと一般に信じられていますが、魔法のようなターコイズブルーの反射は、一日をとおして満ちています。洞窟のなかには小舟または泳いで入るほか、経験豊かなダイバーなら、ダイビングでも入ることができます。南風ユーゴが吹いている間は、洞窟内に入るのはもっとも困難ですが、それだからこそ、ユーゴが吹いているときの洞窟内は、海のざわめく音や、岩のバイブレーション、洞窟内に入り込んでくる波の一つ一つまでもが、いつにもましてスペシャル。全感覚をゆさぶるオアシスなのです。

メドゥヴィディナ洞窟、ビシェヴォ島

ビシェヴォ島では、メドゥヴィディナMedvidina洞窟についても、ふれておかなければならないでしょう。島の南岸に位置するこの洞窟は、地中海モンクアザラシのすみかと言われています。洞窟の入り口は高く、斜めに切り込まれ、伝説上の生き物が何ものかに脅かされたあげく旋回してぶつかり、裂け目をつくったかのように見えます。洞窟の中はとても奥深く、中を探検するだれもに、畏怖の念を起こさせます。洞窟の深い青色は多くの秘密を隠しもち、勇敢な冒険者だけがその秘密を発見することができるのです。チャレンジに挑んでみますか?

シーガルズ・ロックス、ストヤ

ダルマチアっ子のことを地元では「カモメ」と呼んでいますが、海の本当の庇護者、ホンモノのカモメを大量に見たいなら、プーラの西、ストヤStoja半島にあるムジリMužilj湾へ向かいましょう。この岩場のパラダイスには、プーラ中心部から快適に徒歩で行くことができます。カモメのほかにも、シーガルズ・ロックスでは、洞窟や何千年ものあいだ海が打ちつけて形作った岩がちな海岸探検を楽しむ多くの冒険者を見かけることでしょう。シーガルズ・ロックスでも特に目を引く洞窟は、10-12メートルの高さから海へ飛び込む、とびきりのフォト撮影に絶好の場所。洞窟は円形闘技場の形をしており、もっと勇敢な人たちは、ロッククライミングにも挑戦しています。内なる翼を呼び起こし、高く飛翔しましょう!

オデュッセウス洞窟、ムリェット島

伝説によると、帰路の旅の途中ポセイドンを激怒させた後、オデュッセウスは南風ユーゴの波にのまれ、ムリェットMljet島南海岸にたどり着きました。このエデンの園のような島で、妖精カリュプソの洞窟で歓待をうけ、オデュッセウスは、この島で七年もの月日を過ごすことになります。最終的に、オデュッセウスは、島にとどまり、カリュプソを妻とすることと引き換えに約束された不老不死を放棄することになるのですが、残りは伝説の伝えるとおり。この洞窟は、ムリェット島南海岸のオギランOgiran崖の反対側に位置しています。ボートまたは泳いで20メートルの長さのトンネルを抜けると、天井部分が崩れ落ち、本土に向かって開いているこの美しい洞窟にたどり着きます。まさに伝説のなかから抜け出たような場所といえるでしょう。

ゴルビンカ洞窟、ドゥギ・オトク島

ゴルビンカGolubinka洞窟は、ドゥギ・オトクDugi Otok島の南海岸、海が穏やかなときでも船に錨をおろしておいたほうが安心なブルビニュシュチツァBrbinjšćica湾の西側に位置しています。長い入口が特徴的なこの洞窟へは、とても細長いボートに乗ってか、泳いで入ることができますが、ダイビングマスクをつけて洞窟の底まで泳いで潜るのがおすすめです。洞窟の一番奥の天井部分のあなを通して自然光が入ってくるおかげで、カルストのトンネルが奥で小さなホールのように広がる場所のなかで、ゆたかな海底動物世界を楽しむことができます。静けさのオアシスへ航海してください。

クロアチアの島々は、おなじみの観光資源でお気に入りのデスティネーションですが、これらの知られざるアトラクションもまた、バカンスを忘れられないものにしてくれることでしょう。