Photo by Maja Danica Pečanić

アドリア海で一番スイートなところ

クロアチアのアドリア海は、ゴージャスな塩からい海が有名ですが、地元のスイートなお楽しみもお見逃しなく!

これら伝統スイーツの多くは「明日にそなえた」おかし。保存がよくきき、食べてしまうまで数か月は日持ちがするので、クロアチアのバカンスを思い出しながら、自宅でじっくり楽しむことだってできるのです。

おすきなものをよりどりチョイス

クロアチア北西部のイストゥラ半島から南東部のコナヴレ地方に至るまで各地で、昔から愛されてやまないクロシュトゥレkroštule(おもにリボン状に結ばれる砂糖をまぶしたサクサクの揚げ菓子)、フリトゥレfritule(砂糖をまぶした丸い形のレーズン入りイースト生地揚げドーナツ)、パンディシュパニュpandišpanj(デザートワインと乾燥柑橘フルーツフレーバーのスポンジケーキ)、シュガーコーティングしたアーモンド、パプレニャツィpaprenjaci(はちみつとスパイス入りハードクッキー)、ボビチbobići(サクサクしたアーモンドクッキーボール)、アランチーニarancini(水でマリネ、シュガーコーティングして乾燥させたオレンジピール)。だれでもなにかお気に入りが見つかるはず-それより、だれもが全部すきなはず!

クロアチア流コンビネーション

蒸留酒ラキヤrakijaがおすきなら、スモクヴェニャクsmokvenjakもきっと気に入るはず。スモクヴェニャクは、ドライいちじくをベースに、クルミまたはアーモンドのほか、アロマを加えたスイーツ。特に、ヴィス島は、ヒブhibまたはフリェブhljebとよばれるスモクヴェニャクでよく知られています。粗くきざんだアーモンド、ドライアニスのほか、トラヴァリツァtravarica(ハーブブランディ)を加えるのがヴィス島の伝統。こうして作られたヒブのミックスは、地元風ブラまたはオーブンで乾燥すればできあがり。スモクヴェニャクは伝統的にトラヴァリツァやリキュールに添えて供されます。乾杯、そしてどうぞ召し上がれ!

ミステリー

リッチなフィリングが入ったショートブレッド(バタークッキー)タイプのスイーツがお好みなら、アドリア海中部エリアへ行きましょう。たとえば、アマレッティamaretiはアーモンド・プードルと卵白、バター、砂糖入りのリッチな生地を焼きあげたクッキー。一方、クラシュニklašuniは、形は似ていますが、外側はサクサクしたクッキーで、特別な種類のバラの花びらから作られたローズ・ウォーターまたはローズ・リキュール(ロゾリンrozolin)で香りづけしたアーモンドのフィリングがなかにつまっているのがおきまり。コルチュラ・タウン特産の悩殺クラシュニにどんな材料が入っているかすべてを知ることは、交易の巨匠たちが大切に守ってきた秘伝なので知るすべがありませんが、極上のおいしさがつまっていることは公然の秘密です。

天国からきたデザート

ダルマチア地方の典型的なスイーツといえばパラディジェットparadižet、そのルーツはオーストリア料理に起源をもちます。このデザートは、牛乳と調理した卵黄をミックスした濃厚なクリームがベースで、そのなかに白い雲を思わせるふわふわのメレンゲで作られたスプーンサイズの軽くゆでたおだんごが入っています。これを食べたなら、きっと至福の夢心地になるに違いありません。

ローズ風カラメル

ロジャタrožataは、きっと今日アドリア海エリアで一番ポピュラーなスイーツ。クレーム・カラメルに似ているといえば、一番わかりやすいでしょう。この伝統レシピに欠かせないものといえばローズ・ウォーターまたはバラの花びらのリキュール。クロアチア語のロジャタという名前はこれに由来し、ロジャタならではのオリジナリティと特別に洗練されたテイストがあるのはこのためです。

とっておきのイベントのための特別なごちそう

結婚式やそのほかの家族の重要なお祝いごとなど特別なイベントには、クロアチア人は信じられないほど贅をつくした極上スイーツを披露します。アドリア海沿岸部のそんなスイーツのなかでももっとも贅沢なケーキといえば、おそらくブラーチュ島のフラパチュシャhrapaćuša。オレンジ果汁やレモン果汁、マラスキーノ酒をたっぷり使うだけでなく、アーモンドもふんだんに使われます。このケーキのうえにトッピングされている粗くきざんだクルミの濃厚な層は、ケーキの名前の由来となった場所のうえの洞窟で見つけられた地層に似ています。

聖なるスイーツ

ラブRab島スイーツも、よく似た材料で作られますが、たまらなくおいしいフィリングが、薄い生地でまわりをふちどられている点が異なります。このスイーツの歴史は、十二世紀終わりにまでさかのぼり、教皇アレクサンダー三世のアドリア海沿いの航海のためにベネディクト会修道女によって作られたのがはじまり。そして、このスイーツのおいしいことといったら!

最後のトリをかざるのは

極上のスイーツといえば、スクラディンSkradinケーキは全く別の豪華さを誇っています。ウィーンのかの有名なザッハトルテにインスピレーションを得たことはまちがいありませんが、スクラディン版の大胆なアレンジは、本家よりもっとおいしいケーキを生み出しました(あ、言ってしまった!)。ウィーンのオリジナルレシピは、マーマレードの代わりにはちみつ、ふんだんに使われるクルミ、小麦粉はほとんど使われず、バラの花びらのリキュールやたっぷりのチョコレートコーティングなどの贅沢なフレーバーでとってかわられています。

今、なにをお考えかはすべてお見通し、そう、全種類食べてみなきゃ。